決算行政監視委員会第4分科会
国土交通大臣に質問させていただきました。

北神質疑
2006年6月5日 決算行政監視委員会第四分科会
 次に、北神圭朗君。

○北神分科員 民主党の北神圭朗でございます。

 本日、この分科会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。

 きょうは、分科会ということでございまして、北側国土交通大臣及び国土交通省の皆様方に、地元のことでちょっとお尋ねしたいということでございます。

 大きく二点ございまして、まず最初に、これは京都府とか、大阪府もたしか共同で要望していると思うんですが、関西副首都構想の推進というものがございます。

 これについてはもう重々御承知だと思いますが、我が国においては、皇居を中心に大体三キロメートル範囲内に政府とか政治機能、行政機能、経済、金融機能、こういったものが非常に狭い範囲の中に集中をしている。こういった現状の中で、最近、ニュースとかでも、大地震の話とか大変な自然災害の話もございますが、そういった大地震などの大規模な災害、あるいは今の時代におきましてはテロの問題というものもあります。

 こういった事態が発生したときに、余りにも狭い範囲の中で日本の中枢機能というものが集中していると、場合によっては首都機能みたいなものが麻痺する事態も考えられるというふうに思います。一瞬にして、東京都内はもちろん、全国津々浦々への重要な情報の流れとかお金の流れ、あるいは政府の行政機能、警察機能なんかは特に大事だと思いますが、そういったことも含めまして、こういった事態について我々も備えていかないといけないというふうに思っているわけでございます。

 そこで、危機管理的な観点から、こうした場合に、首都機能を代替する副首都というものも考えていく必要があるのではないかということでございます。

 ほかの先進国などを見れば、国家戦略的にやっているかどうかは別として、政治首都と商業首都というものが分かれているということもよく見受けられるところでございます。国土狭き日本においてはなおさら副首都というものを、そういう国家危機管理的な観点から明確に位置づけて、準備していくことが必要ではないかというふうに私も思っているところでございます。

 そこで、では、どこがその地域にふさわしいのかという話でございます。

 これは、私も京都出身でありますし、大臣も大阪選出だということでございますが、余り利害関係者ばかりで議論していても偏った議論になるとは思いますが、そういったことだけではなくて、客観的に見ても、関西においては、国の出先機関、地方機関とか総領事館というものも集積している。そして交通基盤というものもある程度は整っている。私の地元、京都はとりわけ、迎賓館というものもついこの間できましたし、国会図書館の関西館などの施設も充実している。

 そういったことを考え合わせると、手前みそかもしれませんが、客観的に見て、私は、関西においてこそ低コストで副首都機能というものを整備することができるのではないかということでございます。そして、そういったことで、京都府も大阪府も、たしか兵庫県も参加していると思いますが、関西を副首都として位置づけること、さらには、既存施設や交通基盤等の必要最小限の整備というものも同時に推進することを訴えているところでございます。

 この質問については、この前、予算委員会の分科会で谷垣財務大臣にもお尋ねしたところで、谷垣さんも京都出身ということで割と前向きな答弁をいただいたんですが、そのときに、実際、内閣府の方にお尋ねしたら、中央防災会議というところで大体マグニチュード七・三の大地震というものを想定しなければならない、そういったことが起きると、壊滅状態になるわけではないけれども、やはり政府の重要な施設が被災に遭ったり、あるいは企業の事業の推進がままならないといった事態が容易に想定できるという答弁もございました。

 ですから、これは決してSF、ファンタジーの世界ではなくて、国のまじめな危機管理的な発想から大事だというふうに思うんです。これは国土交通大臣というよりは一政治家ということなのかもしれませんが、この点についてどのようにお考えかということをお聞きしたいというふうに思います。

○北側国務大臣 私は首都機能移転も担当しておりまして、まさしくこの問題は、各省庁の中で国土交通省が一番深くかかわらないといけない問題であるというふうに認識をしております。

 実を言いますと、私、きのうも大阪であるシンポジウムがありまして、そのシンポジウムの中で、大阪の太田知事とも御一緒だったんですが、これは前々から聞いておりますけれども、昨日も大阪府の知事から同じく、このバックアップ機能について、やはり大阪が担うことがふさわしいのではないか、こういう御意見の開陳がシンポジウムでもあったところでございます。

 安全、安心な国土をつくっていくという観点からは、やはり首都圏に政治、行政、金融等々、国家の中枢機能が集中しております。ここが万一、例えば首都圏の直下型地震等でその機能が麻痺をしてしまうことになった場合に、これは日本の政治経済に大変な打撃を与えるだけではなくて、世界の経済にも大きな影響を与えてしまうと私は思います。

 そういう意味で、私は、この首都の中枢機能についてのバックアップ機能をきちんと確保しておくということは、これは国として当然やっておかなきゃいけない危機管理だというふうに思っているところでございまして、どこがふさわしいかというのはまさしくこれからの議論だと思うんですけれども、そうしたことをきちんと検討しておくことが大事だと思う。ちなみに、日本銀行はやはり大阪にバックアップ機能を持っております。

 委員のおっしゃったように、大阪には、関西にはと言った方がいいかもしれません、各省庁の出先機関がすべて集中をしておりますし、総領事館もございます。そういう意味では、非常に少ないコストでそうしたバックアップ機能について果たせるような地域ではないかという御指摘は十分傾聴に値するものだというふうに思っているところでございますが、まさしくこれはこれからの議論として進めていきたい。

 今、国土交通省では、昨年通していただいた法律、国土形成計画法に基づきまして、国土形成計画を策定する作業をやっております。全国計画につきましては、ことしじゅうには中間的な取りまとめもさせていただきますし、来年には閣議決定もしたい。そして、その上で広域の地方計画についても策定をしていく、こういう流れになるわけで、これからの我が国の国土形成のビジョンについて取りまとめ作業を今まさしくしているところでございます。

 きょう委員のおっしゃったこうしたバックアップ機能を、首都機能の一部を万が一のときにしっかり担っていくというふうな問題についても、これは非常に重要な課題として論議をさせていただきたいと思っているところでございます。

○北神分科員 ありがとうございます。大変力強い答弁をいただきました。

 お立場上なかなか難しいところもあると思いますが、まずは副首都機能というものが大事だという大方針の上で、どこの地域がふさわしいという中で大臣みずから主張することはなかなか難しいかもしれませんが、客観的にどこが一番ふさわしいかというのはおのずと議論の中で明確になっていくというふうに私は思いますので、本日は北側大臣からも積極的なお話もいただきましたし、この前、谷垣財務大臣にも非常に前向きの言葉もいただきました。私はそれほどの力がなくて微力でございますが、ぜひその議論にも参加していきたいというふうに思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 それで、またこの副首都機能というのは、既存の施設とか交通基盤についても必要最小限と、この財政が厳しい状況の中で非常に控えめな文言となっておるわけでございます。私もそういう姿勢が非常にいいというふうに思うんですが、もう一つの次のテーマは、まさに私の地元の道路の話でございまして、これは京都中部阪神連絡道路というものでございます。

 これについてはもともと、亀岡市というのが私の選挙区にございまして、十万弱の地方都市でございますが、ここと北大阪が隣接をしている。今国道四百二十三号線というのがありますが、これが非常な山道でございまして、曲がりくねったりして、非常に狭い道であるということでございます。

 そして一方で、御存じのように、全国的な高速道路網の整備計画の中で京都縦貫自動車道の整備というものも今進められているわけでございますが、亀岡の市民あるいは口丹波地域、その北側の、綾部までは行かないんですが、園部町とか八木町とか丹波町とかそういった地域でございますが、そこから阪神地域の高速道路につながるためには二つしかルートがなくて、一つは綾部市までずっと北の方に上がっていって近畿自動車道というものを利用する、あるいはずっと南の方に行って、京都府の乙訓郡というところまで行って高速道路につながる、この二つのルートしかないという中で、もともと熱い要望が亀岡を中心に上がってきているわけでございます。

 これにつきましては、国土交通省さんの方から平成十年六月に、当時の建設省でございますが、いわゆる地域高規格道路の候補道路の指定を受けているところでございます。

 そういった中で、もともとの経緯はそういったことであるわけでございますが、本日は、私も冒頭申し上げた関西副首都構想の中で、この亀岡というのはまた京都市内の、これも私の選挙区なんですが、西の方の洛西地域の西京区、右京区、嵐山とか桂離宮とかそういったところがある地域なんですが、そこと隣接していまして、縦貫道というのも亀岡を抜けて西京区に入って、そこで今のところ終わっている。したがって、北大阪の方から、伊丹空港とかもあると思いますが、そこから亀岡、そして縦貫道で行けばもう物の十分ぐらいで京都の西の方に入れる。そういった状況の中で、亀岡の活性化だけではなくて、関西全体を副首都構想と考える中で、より緊密な連携というものが図れるのではないか、そういった観点でお話をできればというふうに思います。

 まず、先ほど申し上げたように、京都中部阪神連絡道路の候補路線というものの指定を受けまして、ちょうどことし、今六月ですから、八年の歳月が流れようとしているわけでございますが、調査等を初めとした本件の進捗状況についてお伺いしたいというふうに思います。

○谷口政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘いただきました京都中部阪神連絡道路は、第二名神自動車道と高規格幹線道路でございます京都縦貫自動車道を連絡する延長約三十キロメートルの道路の構想でございまして、委員も御指摘いただきましたが、平成十年六月に地域高規格道路の候補路線に指定をさせていただいております。現在、京都府と協力をさせていただきまして、基礎的な調査を実施させていただいているところでございます。

 具体的には、並行している国道四百二十三号ともう一つ四百七十七号があるということでございますが、それぞれ九千台、日交通量でございますが、一万台近い交通量があるということでございます。また、峠越えというようなことで、隘路になっている箇所等につきましての調査を進めさせていただいております。

 いずれにしましても、京阪神地域全体の道路ネットワークの観点から見た本路線の必要性等を検討させていただいているというところでございます。

○北神分科員 ありがとうございます。

 その基礎調査の中に、ルートの決定とか事業計画とか、そういった話というのはまだ当分出てこないような状況でしょうか。まだ基礎的なデータの収集とかそういった状況なのか。済みません、通告にはなかったんですが、そのことも答えられればお願いできればと思います。

○谷口政府参考人 お答えいたします。

 地域高規格道路につきましては、候補路線といいますのは、先ほど必要性と申し上げましたが、整備を進めることの妥当性、緊急性等についての検討を進めさせていただいているということでございます。それから、整備の妥当性、緊急性が高いと認められたものを計画路線として指定をさせていただいているということでございまして、今現在まだ、計画路線にいつというようなところまでは至っておらないという状況でございます。

○北神分科員 理解できました。

 そして、その中でまさに候補路線、計画路線に引き上げていただきたいというのが地元のまずの手順としての要望なんですが、先ほど必要性、緊急性という話があって、これはなかなか抽象的な言葉なので、そこを満たすのにはどうしたらいいのかという声もございまして、これもその具体的な基準というものを明確に答えるのはなかなか難しいかもしれませんが、ちょっとその辺、できる限りの範囲で結構なので、教えていただければというふうに思います。

○谷口政府参考人 お答えいたします。

 地域高規格道路というのは、高規格幹線道路網を補完するというような役割がございます。

 これまで、規格の高いというようなことで、自動車専用道路的なところをイメージしてきておりますが、この地域の周辺ネットワークといいますと、先ほど、亀岡から京都に抜けるというお話をいただきましたが、京都の南側、西側も含めて、京都第二外環状道路といったようなもの、京都縦貫自動車道とリンケージするわけでございますが、そうした道路も計画されているということでございますので、この地域にどうした規格の道路がいいというようなことを、原点に返って、京都府また大阪とも協力しながら詰めさせていただいているというところでございます。

 明確な基準とかいうような前提となって、その道路の性格等を今詰めさせていただいているということでございますので、その上で、熟度が高まってきた場合には、費用対効果とかそういったものをはじきながら、どう事業化していくかというようなことについて判断をさせていただければと思っておるところでございます。

○北神分科員 ありがとうございます。

 地元としては、亀岡の市民としては、ぜひとも、第二名神の計画もあると思いますが、そこを起点として、そして亀岡の中心を走っていく京都縦貫道、これを終点としてつなげてそういったルートをお願いしているところなんですが、なかなか財政の厳しい中、非常に難しい話かもしれません。

 先ほど申し上げたように、関西副首都構想の中で、阪神と京都のつながりとか、あるいは地元の、これは十万都市の亀岡なんですが、一方で田園地帯というか農村地帯というものもたくさんありまして、そもそもこの地域高規格道路の三つの求められている機能の中で、交流とか連携とか連結とかあると思うんですが、恐らく、中核都市と大都市をつなぐ連携の部分が非常に強いのではないか、そういった意義も私はあるというふうに思うんです。

 大臣にぜひお伺いしたいのは、今一連のお話を伺って、この京都中部阪神連絡道路についてどう見ているのか、どのような意義を感じられているのか、そこをお尋ねしたいというふうに思います。

○北側国務大臣 先ほど道路局長から答弁しましたように、京都縦貫道と第二名神を連絡する道路、ですから、道路というのはネットワークでございますので、道路ネットワークの効率を高める効果だとか、また、事故や災害があった場合の代替路として意義があるというふうに私も思います。

 ただ、御承知のとおり、第二名神そのものも、今、当面着工しないという区間もあるぐらいでございまして、そういう意味では、ある意味ではこの第二名神をどうするんだということについて早く結論づけていかないといけないなとも思っているところでございます。

 いずれにしましても、京都縦貫道それから第二名神等の関連する道路の整備状況、交通状況等も踏まえつつ、京都、大阪の両府と国とが協力をして、この道路の必要性についてしっかりと検討を進めさせていただきたいと思います。

○北神分科員 ありがとうございます。

 私もこの話をいろいろ勉強していて、やはり第二名神の話が一つの前提になるのではないか、同時進行的にやりたいというのは我々の要望なんですが、そういったところもなかなか難しいかというふうに思います。

 今大臣から、第二名神について結論を早く得られなければならないなという御感想がございましたが、まさに第二名神の、今計画中、進行中だと思うんですが、進捗状況というのはどうなっているのかというのを、事務局で結構ですが、お尋ねしたいと思います。

○谷口政府参考人 お答えいたします。

 今大臣の方から御答弁ございましたが、高槻から八幡ジャンクションにつきましては抜本見直しというようなことになっておりますが、高槻から西の方、神戸間につきましての整備状況をお話しさせていただきたいと思います。

 そもそも第二名神高速道路は、名古屋市と神戸市を起終点とする全体百七十四キロメートルの高速自動車国道であるということでございますので、第二東名高速道路と一体となって、三大都市圏を相互に結び、人の交流と物流を支える大動脈ということでございますので、新しい世紀の国土の軸となる重要な路線ということでございますし、また、今お話ございましたが、災害時などを含めても、代替路線として不可欠な路線であると考えておる次第でございます。

 高槻から神戸間、約四十キロメートルございますが、ことし二月に開催されました第二回国幹会議の議を経て、西日本高速道路株式会社が整備する区間として決定されております。現在、会社におきまして、用地買収に向けた測量、土質調査及び地元設計協議を行っているということでございます。

 当該区間につきましては、宝塚トンネルというようなところも大きな渋滞を起こす頻度が高いということでございますので、地元の御理解と御協力を得ながら西日本会社において事業が促進され、一日も早い供用を目指して私どもも全力を挙げて取り組ませていただきたいと考えておるところでございます。

○北神分科員 ありがとうございます。

 なかなかこの話も、道路整備全体が我が党を含めて大変厳しい目が向けられている中で、非常に決定が困難な部分もあるというふうに思うんですが、この話についてレクをしているときも、役所の方でも認識が余りなされていないなというふうにも見受けられましたし、ぜひ、亀岡市、京都府でこういった要望があるということを御認識いただきまして、厳しい状況の中でその実現に御努力いただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。

 最後に、こうした道路整備のお願いとか私もさせていただいているわけでございますが、一般論として、現実に、私は何度も申し上げたように、今財政状況が非常に厳しい。その中でもとりわけ公共事業、その中でも道路整備というものに対して非常に厳しい声がある中で、私は、もちろんいわゆる無駄なものというものは、これは当たり前の話で、減らさないといけないし、そういったものをつくってはいけないということだというふうに思います。

 しかし一方で、何が何でも一律に支出をカットして、公共事業はすべて悪いという話も全く、これはどこの国を見てもおかしな話であるというふうに思って、賛同しがたいものがあるというふうに思っております。さらに言えば、財政の引き締めだけで本当に国というものが発展するのか、栄えるのか、そういったことも私は極めて疑問に思っているわけでございます。

 もともと私も大蔵省の方で十年ぐらい勤めていましたが、やはり大蔵省のそういった視点だけで国を動かされると非常に縮小均衡の事態になってしまうなというのが私の率直な考えでございまして、活力のない経済社会の中で税収の自然増収とか考えると、財政再建でさえ本当に可能なのか。単に歳出をカットして歳入を引き上げるだけで財政再建ができるというのは、私が勉強したところでは、古今東西そんな例はない。やはり経済の活力というのは大事だし、その下支えになる公共事業、道路も含めて、そういったものも大変大事だというふうに思っております。

 そういった非常に難しい状況の中で私も本日こういった質問をさせていただいたわけでございますが、大臣におかれましては、無駄でない道路、そして無駄な道路、私は、この基準というものがはっきりできれば一番いいのではないか。そうしていかないと、一律全部だめだという話になってしまう。しかし、これはなかなか難しい質問だと思いますが、大臣の経験とかを踏まえまして、どのようにその基準というものをお考えになっているのかというのをお聞かせいただきたいというふうに思います。

○北側国務大臣 与党の中でもいろいろな意見がありますけれども、民主党の中もいろいろな意見があるんだなということがきょうよくわかりました。

 私は、まず、無駄な道路という表現が実を言うと余り好きじゃないんですね。私も一昨年九月から国土交通大臣に就任してから、国土交通省というのは本当に幅の広い役所でございますが、私のところにあるさまざまな御要望、やはり圧倒的に道路が多いんですね。圧倒的です。それも、北海道から九州、沖縄まで、どの地域、私がいろいろな地域へ行っても、地元の知事さん、首長さん、経済界の方々、どこに行っても、この道路がというお話を必ずと言っていいほどお聞きするわけですね。そういう意味で、道路整備というのは、我が国においてはまだまだやらなきゃいけないところが多いと私は認識をしております。

 とともに、一方で財政の問題がございます。財政も危機的な状況の中で、やはりこれから、これは道路だけではなくて公共事業すべてそうだと思うんですが、優先順位というものを明確にしていく。必要性の程度、緊急性の程度等々、これは総合的に勘案をして、そこはきちんと数値で出していかないといけないと私は思いますが、総合的に勘案して、やはり優先順位、プライオリティーというものをつけていくことだというふうに思っているところでございます。

 御承知のとおり、今、道路特定財源の見直しの論議がこれから本格的に始まってまいります。もう一つは、この道路特定財源の問題と同じく、公共事業をこれからどうするのという議論もあるんですね。幾ら道路特定財源について確保しても、シーリング、委員は専門ですから、シーリングの方で毎年何%制約だというふうにキャップをかぶせられてしまいますと、幾ら道路特定財源があっても道路に使えないわけでございまして、この道路特定財源をどうしていくかという問題と、今後公共事業、道路投資をどうしていくんだという話と、二つはもちろん関連しておりますが、一応別の問題として議論がこれから進んでいくところだというふうに考えております。

 そういう中にあって、ぜひ、この道路特定財源の見直しの問題であれ、公共事業、特に道路投資の今後のあり方にせよ、やはり足が地についた議論をしていただく必要があると思っておりまして、そういう意味では、余り観念論、抽象論で議論するだけではなくて、例えば、これは私、去年お願いしたんですけれども、各整備局単位ぐらいで、関西なら関西で、整備目標についても具体的なイメージを出してもらいたい、そうした方が議論がしっかりできると。

 例えば、これから十年間で、仮に今までの予算というものをそのまま、同じような予算でどの程度の事業が、コスト縮減も加味してどの程度進んでいくのか、そういう絵をきちんとやはり示した方がいいですね、そうしないとなかなか地についた議論にならないので、それをぜひやりましょうと。

 それと、これからは、これも社会資本全体に言えることなんですが、維持管理コストがすごくかかってくるんですね。やはり、従来整備されてきた道路等につきまして維持管理を適切にやっていかないと、結果としてライフサイクルが短くなってしまって国民負担が大きくなってしまうという問題もありますし、あと、橋の問題なんかでいいますと、例えば昭和三十年代、四十年代につくった橋が、今やもう四十年以上たつのも出てきているわけですね。そうすると、いずれ近い将来更新をしなきゃいけません。その更新コストについてもきちんとこれからは念頭に置いていく必要がある。だから、新規の事業だけではなくて、維持管理コストが必要です、これからどんどんふえてきますよ、いずれ更新コストがふえてきますね、そういうこともある程度試算を出していただきたいなと。

 それとあと、優先順位の問題としていいますと、例えば、これは首都圏でも関西でもそうだと思いますが、日本の道路というのは環状が十分できていないんですね、環状道路が。都心に行く道路は割と比較的できているんですが、環状道路ができていない。これが非常に道路渋滞だとか環境の悪化につながっている。こういうのはやはり優先順位が高いねだとか、それから空港とか港湾とか、こういうところのアクセスになる道路というのも、これまた、これからの国際競争を維持向上させていくという観点からも非常に優先度が高いねというふうに、それぞれ、これから優先順位が高くなる考え方、手法としてどんなものがあるかということもぜひ議論をお願いしたいと。

 そういうことを、実を言うと、先般、国土交通省で、道路局を中心に取りまとめを案として、あくまでたたき台です、これは何か決めたということではありません、今後の議論の参考にぜひしていただきたいということで、道路整備の中期ビジョン案というのをつくらせていただいたところでございまして、こうしたものを参考にしていただいて今後の御議論を、政府・与党内でもしっかりやりたいですし、国会内でもぜひお願いをしたいというふうに思っているところでございますので、議員におかれましても、一度ぜひ話をお聞きいただければありがたいと思っているところでございます。

○北神分科員 ありがとうございます。

 もう時間が過ぎましたので終わりたいと思いますが、私も去年初当選をして初めてこういう道路の話とか多少勉強させてもらったんですが、最後の大臣の答弁、非常に勉強になりました。ぜひ、そういった方向で我々も議論に参加していって、ちゃんとした道路整備というものを戦略的に、そしてコストをできるだけ安くして進めていければというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

○柴山主査代理 これにて北神圭朗君の質疑は終了いたしました。

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