決算行政監視委員会第3分科会
農林水産大臣に質問させていただきました。
北神質疑
2006年6月6日 決算行政監視委員会第三分科会
次に、北神圭朗君。
○北神分科員 民主党の北神圭朗でございます。遅くまで御苦労さまでございます。
きょうは、地元の農業関連の要望事項を中心に、大臣を初め皆さん方に質問をしたいと思います。
まず、お米の検査制度についてお尋ねしたいと思います。
これは、地元のお米の生産農家から切実なる訴えがございましたので取り上げさせていただきたいと思いますが、御案内のとおり、今、現体制のもとで、米の産地とか銘柄とかあるいは産年については、直接市場に出す場合、それをはっきりと表示させたい場合は、国の指定の登録検査機関による検査が不可欠となっている。これは昔、役所、つまり食糧事務所がやっていたというふうに聞いておりますが、最近は官から民と、行革の流れの中で、民間による検査というものが可能になっている。基本的に我々の地域では、京都でございますが、JAさんが中心にこの検査をやっているというふうに聞いております。これはこれで別に異論はないんです。
ところが、冒頭申し上げた私の地元の農家の方が言うには、どうも今の検査の実効性が非常に疑わしいと。それはどういうことかといいますと、例えば、産地なんかについて、どこの地域の田んぼでとれたということが、JAさんの検査官に本当に見抜かれているのか、よくわかっているのかということが疑わしいと。なぜなら、その方に言わせると、あらかじめ、米を入れる袋に産地とか銘柄とか産年というものを書くことを要求されて、それを持っていくと、検査官はそれを見て、手に何かとって見るみたいですけれども、それで、ああ、いいよということで、何も別に科学的な検査もしないし、本当にこれは意味があるのかということが非常に疑わしいということでございます。
それで、要するに、そこで検査料を払ったり、結局、売りに出す米を全部持っていかないといけない。三十キロぐらい持っていって、そしてまた持って帰らないといけない。そういったいろいろな御苦労があるということなんですが、極端なことを言えば、大阪でとれた米を京都のコシヒカリだというふうに書いて持っていったらそのまま通るんじゃないかとその人は思うというふうに言っています。
これは、私も実際体験したこともないし、実際現場を見たこともないので、真相は正直わかりませんが、こういった指摘がありまして、言うまでもなく、こういったことであるならば、この検査というものはほとんど形骸化しているんではないかというふうに思われます。こうしたケースについて、検査官の質の問題なのか、あるいは検査制度そのものの実効性の問題なのかわかりませんが、こういった指摘についてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○岡島(正)政府参考人 お答え申し上げます。
農産物検査における米の産地、品種の証明につきましては、農産物検査員が把握しております個別生産者ごとの品種別作付面積情報をもとにするということでございまして、今委員御指摘のケースでございますと、JAの方々が検査員になられておりますから、まさにJAの方々、それぞれの各農家の方々がどれだけの作付面積を持っておるかというのは当然承知されている。それをもとにいたして、検査の際に、玄米の目視鑑定によって異品種の混入が認められないこと、あるいは、産地ごとの品種の特性でありますとか特徴でございますとかが明確であること、あるいは、生産者から請求があった品種別受検予定数量と矛盾しない、そういったことを確認した場合のみ証明を行うこととしております。
また、産年につきましては、経年変化によって肌ずれとかいろいろな形状変化も出てきますので、玄米の目視鑑定あるいは生産者別の作付情報によるほか、必要に応じましては、試薬を用いた新鮮度判定により証明を行うこととしております。
また、国といたしましては、登録検査機関に対して適切な農産物検査が実施されるよう、農産物検査員が品種の特性、特徴の把握や鑑定訓練の反復実施などを行うよう指導しているところでございます。
○北神分科員 これはなかなか、どこまで実効性が担保されるのか難しいところだと思いますし、私も専門家でもないのでよくわからないんですが、よく役所の方と話していると、農協の人というのは地元に根差して、よくよくわかっているんだ、圃場整備の段階から、作付からずっと見ているから、その人が持ってきているものだったら、大体現場感覚を知っているという話なんです。
それはそれでわかるんですけれども、逆に言うと、その程度の検査なのかなということもありまして、それで、何でこういうことを申し上げるのかといいますと、別に検査することが悪いとかそういう考えはないんですが、一方で、野菜とかについて、これも同じように銘柄とか、産年というのかどうかわかりませんが、品種とか、そういったものについて表示をして売りに出している場合もあるんですが、野菜については検査は義務づけられていないというふうに聞いておりまして、例えば、京都のコシヒカリはちゃんと検査を通さないと表示できない。でも、京野菜という名前をつけたら、別にそれは検査を通さなくていいと。この米と野菜のバランスもよくわからないなということでありますが、その点、いかがでしょうか。
○中川政府参考人 食品の品質表示のお尋ねでございますけれども、食品の品質表示、これはJAS法に基づきます、それぞれの品質表示基準に定められております。
野菜などの一般的な生鮮食品につきましては、これは通常、市場を通じまして現物の取引が行われておりまして、その際の伝票などを見ますと、産地ですとか、あるいは品種というものが、名称でございますが、わかります。これを確認して、それを根拠として表示するということになっているわけでございます。品種名や産年なども、それがきちっと確認できる場合には表示をすることができる、そういう決まりになってございます。
一方、米でございますけれども、日本人の主食としての重要性を踏まえまして、産地それから品種、産年あるいは等級といったものにつきまして、現物を見なくても全国広く取引ができるような仕組みがつくられておりまして、その基準として農産物検査によります証明が活用されてきた、そういうこれまでの経緯がございます。
こうした米の商品特性に加えまして、近年、特に消費者の方々がお米を購入される際に、これはどこの産地で、どういう品種で、何年産のものかといった、そういう高い関心も有しておられますので、そういった点を踏まえまして、米の表示につきましては玄米及び精米の品質表示基準というのが別途定められております、これは平成十二年からでございますけれども。そういう米の品質表示基準に従って、その場合の根拠としまして、農産物検査による証明を表示の根拠というふうにしているわけでございます。
○北神分科員 つまり、野菜はJAS法に基づいてやっている、米の方は別途その平成十二年の法改正によって新たに検査体制というのを設けられたのか、そういうことですか。
○中川政府参考人 少し言葉が足りませんでした。米については、従来は食糧法という法律に基づいて品質表示がされておりました。それを、JAS法の体系の中に平成十二年に取り込んだということでございます。
○北神分科員 私も不勉強なのでよくわからないんですけれども、米は特別扱いだということだと思います。野菜の方は、野菜も全国で現物を見なくても取引できるようになっているというふうに思いますが、主力商品だということで、趣旨はよくわかりました。
次にお尋ねしたいのは、今度はJAの検査の検査料についてです。
これは、普通考えると、検査したい場合は、お米をJAに持っていって検査していただいて、それに応じて正規の検査料を払うということなんですが、どうも、その私の地元の人に言わすと、そうでもないと。実際には、検査を受けるに当たって、わざわざJAさんから検査の対象となる米を買い取ってもらって、それで一応検査をして、それでまた売り渡すというような手続を経ている。それで、これは資料をお渡ししているかもしれませんが、契約外流通米の売渡申込書兼誓約書というものに署名しろと。それによって、一たんJAさんが買い取って、それで検査して、また売る。
それだけだったらまだ、まあ余り被害はないのかもしれませんが、そのよくわからない回りくどい手順によって、検査料だけじゃなくて、それに伴う何か諸経費みたいなものがついてくる。それは、さっき申し上げた売渡申込書兼誓約書に書いてあるんですけれども、米六十キロにつき九百円払わないといけない。そして、その方は、三十キロだから大体四百五十円、毎回検査するたびに余計に払っていると。
これも本当だとするならば、よくわからない話でありまして、行政改革で役所からJAさんに移した、民間に移したのはいいのかもしれないんですが、逆に、少なくとも農家の人にとってはコストが高くなっているということですが、この点についてどうでしょうか。
○岡島(正)政府参考人 まず、検査手数料そのものにつきましては、登録検査機関の検査手数料について、これは農産物検査法第二十一条第一項に基づいて登録検査機関が業務規程に定めて、農林水産大臣に届け出ることとされております。
登録検査機関が届け出る検査手数料につきましては、同法第二十一条第二項において、農産物検査に係る必要な経費を適切に反映したものであり、かつ特定の者に差別的な取り扱いをするものでないこととしており、届け出に係る業務規程が農産物検査の適正かつ確実な実施上不適当と認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができるとされております。
それから、先ほど委員が例で挙げておられましたけれども、労力を提供するとか、そういったことも間々あるかと思いますけれども、業務規程において、農産物検査を円滑かつ効率的に行う観点から、検査を請求している請求者に対して、受検準備など検査に必要な荷役労働力の提供などを求めることができるとされているところでございます。
この場合にあっても、登録検査機関の業務規程の届け出に際して、農林水産省としては、登録検査機関の請求者に対する要求が、検査を円滑かつ効率的に行う観点から妥当なものであるかなどを審査することとしております。これが検査手数料でございます。
それから、委員から事前にいただきました、ここにあります、平成十六年産契約外流通米の売渡申込書兼誓約書というもの、内容を拝見させていただきました。
ここの部分と、受検、検査を受けるということの関連というのは、この誓約書上は出てまいらないということでございまして、私ども、検査は検査として、もちろん、検査を受けたいということであれば登録検査機関は断れないということになっております。それと、この売渡申込書との、ちょっと因果関係はわかりませんので。この誓約書を、この字面だけ拝見させていただくと、これはこれで一つの民間間の契約であるというふうに考えております。
○北神分科員 まさに、多分そこにこの問題の核心があるというふうに思っておりまして、確かにこの申込書兼誓約書というものは全く別のものであるというふうに思うんですが、その方に言わすと、やはり検査を受ける際に同意を求められる、それは多分何も法律で決まっている話でもないし、JAさんが、これはそうだとするならば、勝手にやっているということなんですが。
申し上げたいのは、その方は結局、米を自分でつくって、それでなかなか、JAさんに別に何も敵対心もない人で、一部はJAさんを通じて市場に流通させているみたいですけれども、やはりJAさんの買い取り価格、米価が非常に安い、だからそこにずっと頼っていたら到底生活ができないと。趣味でやっている人とか、兼業農家で土日だけやっている方とか、そういった方は別に問題ないかもしれないけれども、それを自分の生活の糧にしている人は、やはりこれでは到底自分の生活がもたないというところで、やむを得ず直売の方でやっていると。
これは、JAさんも別に悪意があるかどうかわかりませんが、一方でJAさんも非常に経営が厳しいし、これから生き延びていかないといけない。そして、本来だったら自分たちを通してやってほしい、買い上げて、そしてまた市場で自分たちで売って、その差額を利益として欲しいという、その経営的な配慮もある、配慮というか経営的な考えもあると思いますが、やはりそういったことを不当に要求するというのは非常に問題だというふうに思っておりまして、これは、私、数人から聞いておりまして、そんな多い数ではないんですが、やはりこういうことをしていることも何か推測ができるかなと。最近、メール問題で余りはっきりと言っちゃうとあれですけれども、いろいろな話を聞いていると、そういった感じを受ける。
皆さんに申し上げたいのは、皆さんもなかなか実態がわからないというふうに思いますが、こういった声がある中で、やはり、特別な監査なのかどうかわかりませんが、一遍そういう実態を、うちの地元だけじゃなくて、全国的にどういうことが行われているのか、ある意味ではJAさんの優越的な立場を濫用している、そういったことが行われていないかをチェックすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○岡島(正)政府参考人 まず、法律上の規定でございますけれども、登録検査機関に対しましては、農産物検査法第二十条第一項の規定に基づいて、「登録検査機関は、農産物検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、農産物検査を行わなければならない。」ということになっております。
まさに今御指摘のような点につきまして、登録検査機関、これは全国ベースで見ますと、検査機関数だけで申し上げますと、JAが約半分ぐらいで、残りはいわゆる集荷業者の方々も結構登録検査機関になっておられるということでございまして、その方々が適切に検査をしていただくように、私どもとしても、例えば研修の場でございますとかいろいろな機会に指導もしております。そういった機会も通じながら、今御指摘の点についても考えてまいりたいというふうに思っています。
○北神分科員 ぜひそうしていただきたい。私も、別にJAさんに対して何も異論はなくて、これから地域に根差した機関としていろいろな役割があると思いますが、まさにそうだからこそ、そういった不当なことが行われていたら、きちっとそれをチェックしていただきたいというふうに思いますので、ぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。
次のテーマに移りたいと思いますが、鳥インフルエンザの問題でございまして、私の選挙区がたまたま丹波町、今は京丹波町という町に合併をしておりますが、二年前に、一昨年前に起きたそこの鳥インフルエンザの事件の後処理、そして今後の課題について、若干御質問したいと思います。
まず、これは地元の自治体の要望でございますが、問題が発生した元浅田農産船井農場の土地がある、そこをいろいろな対応をされたということでございますが、そこの土地が、今一応京丹波町の役場の方に所有権が移っております。ところが、そこにはいまだに鶏舎が十棟ぐらい残っていますし、堆肥舎が三棟、そして倉庫等が三棟あって、また多くの機械設備器具等が残っているという状態でございます。
これについて、周辺の住民からすれば、私も現場へ何度も行かせていただいておりますが、だだっ広いところに鶏舎があったりする、それが環境面とかあるいは防犯面、例えば火をつけたり、そういった人が出てきたり、そういった面において、住民の気持ちからしてみれば、ちょっと気持ちが悪い、もう二年たちますので、早く撤去してほしいと。
しかしながら、この撤去費用、本来だったらこれは京丹波町がやる話かもしれませんが、その撤去費用が数億円にも及ぶ莫大な経費を要するということでございまして、今の自治体の厳しい財政を踏まえたら、この撤去については、やはり国に頼らざるを得ないという状況でございます。
そこで、これは鳥インフルエンザの話とはある意味では別だという皆さんの立場もよくよく私もわかった上で、お願いとして聞きたいんですが、ぜひ大臣にお聞きしたいんですが、そういった法的な仕組みがない、鳥インフルエンザとまた別の話で、この残された建物とか器具とか、そういったものを撤去するのは自分たちでやれという話かもしれませんが、こういった状況の中で、ぜひ何らかの国の対応策というものが考えられないか、そこを検討していただけないか、そういった点についてお尋ねしたいんですが、いかがでしょうか。
○中川政府参考人 事実関係を含めて、私の方からまずお答え申し上げたいというふうに思います。
今先生おっしゃいましたように、浅田農産の土地建物は、破産管財人の方から京丹波町の方に寄附をされたというふうに理解をしております。
家畜伝染病、そういう防疫上の対応からいたしますと、既に平成十六年の四月にかけまして現場での対応が終わっているわけでございますから、そういう視点からいたしますと、その建物なりそれから土地についていろいろ必要な措置が仮にあったとしても、それはやはり地元の京丹波町の方でお考えをいただくということが基本で、私ども、今ある制度からいたしますと、農林水産省として具体的に何か援助ができるということにはなっておりません。
ただ、発生農場の跡地利用につきまして、京都府や京丹波町を初めとする地元の皆様方の考えが、今これは現地で検討されていると承知しておりますけれども、そういったお考えがまとまった段階で、何か農林水産省の行政の目的とそこが合致をするということで、そういうものができる、そういう状態であれば、私どもとしてもできるだけ知恵は出したいというふうに思っているところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。今の制度上はなかなか難しいという話だと思いますが、これも考えようによっては自然災害みたいなものだと思うんですよ、住民にとっては。別に自分たちが何か悪いことをしてそういうふうになったわけではなくて、鳥インフルエンザという外的な要因で、浅田農産が届け出を怠ったとかそういう瑕疵はあったと思いますが、住民にしてみれば、これはある意味では降ってきた話だと。
これは結局、鳥インフルエンザで、もう全国的に何カ所もこういうことが起きて、同じような事態で、鶏舎が残っていたり器具が残っていたり堆肥舎が残っている、そうしたら多分国として制度をつくって対応すると思うんですが、残念ながらというか、今の状態ではそれが数少ないからなかなかそういう話にはなっていないというのが現実で、本質的には私は国が力をかしていただいて十分正当性のある話だというふうに思いますので、先ほど地元の要望がまとまったらいろいろ考えていただけるという言葉がありましたので、ぜひその点、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
次に、事件の発生した浅田農産船井農場の方で、鶏の死体とか鶏ふんというものが、一応応急的な措置として埋却されたり消毒されたりしておりますが、これについては、地元住民の不安を完全に払拭するためには最終的な処理が必要だというふうに思います。
これは今、京都府の山田知事を初め京都府がいろいろ取り組んでいるというふうに思いますが、これも本当に毎回恐縮な話でございますが、やはり府の方も財政が非常に厳しい、この点についても国に頼らざるを得ない状況にあるということが実情でございます。
この最終処理に当たっての費用負担について、国としてどこまで負担できるのか、できるだけしてほしいというのが本音でございますが、その点についてどういう状況か、お尋ねしたいと思います。
○中川政府参考人 これは、平成十六年の二月に鳥インフルエンザが発生しました際に、地元の方々との了解のもとに、とりあえず隣接地に埋却をしたという経緯がございます。そういうこれまでの経緯を踏まえますと、最終処分につきましては、京都府と連携をいたしまして、家畜伝染病予防法に基づきます防疫措置の一環として適切に実施をしていく必要があるというふうに思っております。
三年間は埋却をするということになりますけれども、一定の期間が経過した後につきまして、最終的な処分をする際の費用につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、国がその必要な費用の二分の一を京都府の方に支援をする、国としても二分の一は負担をする、そう考えております。
○北神分科員 ありがとうございます。ぜひその方向で進めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
あともう一つは、今、後処理の話をさせていただきましたが、今後の対策についてお尋ねしたいというふうに思います。
今までの、うちの地元も含めて、割とメーンとして問題になったのは、鳥と鳥の間の感染の話であります。これについては、もうかなり自治体も国も危機意識というものを持っているし、予防対策とか危機管理対策というものも相当考えておられるというふうに思います。
ところが、今後は、御存じのように、人と人との間の感染をするウイルスというものがこれからの課題だということだというふうに思いますが、これはある試算によれば、全世界的にもしこういう事態が発生すれば、最大一億何千万人亡くなる、スペイン風邪とかそういうどころの騒ぎではないという話も聞くわけでございますから、非常に欧米の方でも大変な危機感があるというふうに聞いております。
この人―人のウイルスがどのように発生するかというのはまだまだ科学的な解明を待つところだというふうに思いますが、私が聞いている感じでは、豚の中に人に関する感染ウイルスと鳥のウイルスというものが入って併存して、そこで人と人の間にうつるようなウイルスの変異というものが起きる説が有力ではないかと。あとは、人と鳥の間を行ったり来たりして、それがまた突然変異で人―人のウイルスに変わるという話も聞いておりますが、その辺については割と消毒とかそういった対策ができているというふうに思いますが、豚の部分がまだできていないような気がいたします。
そういったことを考えますと、今、養鶏場については防護ネットみたいなものを張って施設外からの動物の侵入というものを防ぐ、そういった対策がとられているというふうに思いますが、これも素人考えで恐縮ですが、そうであるならば、今後、人―人のウイルスというものが重大な課題となるのであれば、豚のいる養豚場とかそういったところにもそういう防護ネットというものを張るというのも、一つの予防策として考えられるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○中川政府参考人 確かに、豚は、人インフルエンザウイルスにも、それから鳥インフルエンザウイルスにも、両方のウイルスに対して感受性を持っているということが知られております。
しかし、日本の豚からこれまでに鳥インフルエンザウイルスが分離をされたということは、まだ知見としてありません。そういうことは確認をされておりません。しかしながら、養豚は養豚としてやはり衛生的な飼養管理をしていくというのは当然のことでございますし、家畜伝染病予防法に基づきます飼養衛生管理基準、これは飼養者の方が当然守っていただくべき基準ですけれども、その中にも、窓や出入り口等の開口部にネットその他の設備を設けるということで、ネズミですとかいろいろな害虫が豚舎内に入らないように、そういうことをきちっと心がけていただくというのは飼養者の義務としてあるわけでございます。
農林水産省といたしましては、豚に鳥インフルエンザが感染するということを防ぐというだけではなくて、全体として衛生的な豚の飼養が行われるようにということがまず第一だというふうに思っておりますし、また鳥インフルエンザの防疫の観点からいたしますと、豚にかかるというその前に、早く、日本に鳥インフルエンザが侵入したら、それを見つけて、そして摘発、淘汰をするということが、まず防疫対応上の第一の取り組みではないかというふうに思っているところでございます。
○北神分科員 鳥インフルエンザが入ってきて、それを見つけて退治するというのはなかなか難しいというふうに思うんですが、むしろ、そういう感染する場である養豚場とかそういったところを守ったらいいというふうに思いますので、これはもう追及しませんが、そういったことを含めてひとつ検討いただければというふうに思います。
もう時間がございませんので、せっかく厚生労働省さんにも来ていただいておりますので、最後に、実際、人―人のウイルスというものが発生して、できればその予防対策として今申し上げたようなことが大事だというふうに思いますが、それが功を奏せず実際に広がってしまうというときに、私もテレビでしかわからないんですが、タミフルという薬というものが一時期話題になった。そういった、一〇〇%効くかどうかというのはわからないらしいですが、今のところそれが一番効くのではないかということですので、ただ、その当時、ことしの初めぐらいですかね、その問題がテレビや新聞とかで話題になったときには、日本は絶対量が少ないという問題があったというふうに思います。
もうせっかく、今余り騒がれなくなったわけでございますが、まさにこういった機会にぜひ備蓄の方を進めていかなければならないというふうに思うんですが、その辺の状況はどうでしょうか。
○岡島(敦)政府参考人 昨年十一月に、新型インフルエンザ対策行動計画というものを策定いたしました。その中で、抗インフルエンザウイルス薬タミフルを二千五百万人分備蓄するということを決めております。
その内容としましては、政府と都道府県でそれぞれ一千五十万人分ずつ備蓄するということになっておりまして、これまでのところ、既に政府備蓄としまして二百五十万人分を備蓄しております。そして、十八年度内には七百五十万人分を備蓄する予定でございます。
それから、都道府県備蓄量の千五十万人分につきましては、十八、十九年度に備蓄をすることとしておりまして、各都道府県におきまして備蓄計画が策定されております。
これらのほかに、国内流通量を含めまして、十九年度中には二千五百万人分の備蓄が完了する予定でございます。
○北神分科員 基本的にそれでもう大体、問題が発生したときに対応できる数だということでしょうか。
○岡島(敦)政府参考人 実際に発生した場合に、新型インフルエンザの効果といいますか、強さというのはどの程度あるかということは、発生してみないとわからないわけでございますけれども、アメリカの一定の試算に基づきまして、発生するであろう量ということを前提といたしまして、人口の約二〇%分の備蓄量ということで対応します。
そして、さらに言いますと、我が国はタミフルを普通のインフルエンザにこれまでも使ってきている、ほとんど世界で一番使っている国でございまして、例えば十一月ごろのインフルエンザの流行期に入る前の段階で見ますと、タミフルの国内流通量は千二百万人分ございます。それと合わせまして、備蓄も完了いたしますと二千五百万人分もふえることになりますので、必ず、絶対とは申し上げられませんけれども、必要量は確保できるものというふうに考えております。
○北神分科員 もう時間でございます。最後にもう一度、JAの米の検査の体制をちょっと実態調査をしていただきたいということと、もう一つは、京丹波町の鶏舎とか機械設備、堆肥舎、その辺の撤去費用について、ひとつ国のお力添えをいただきたいということをお願い申し上げまして、終わりといたします。
ありがとうございました。
○平田主査 これにて北神圭朗君の質疑は終了いたしました。
2006年6月5日 決算行政監視委員会第四分科会
次に、北神圭朗君。
○北神分科員 民主党の北神圭朗でございます。
本日、この分科会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。
きょうは、分科会ということでございまして、北側国土交通大臣及び国土交通省の皆様方に、地元のことでちょっとお尋ねしたいということでございます。
大きく二点ございまして、まず最初に、これは京都府とか、大阪府もたしか共同で要望していると思うんですが、関西副首都構想の推進というものがございます。
これについてはもう重々御承知だと思いますが、我が国においては、皇居を中心に大体三キロメートル範囲内に政府とか政治機能、行政機能、経済、金融機能、こういったものが非常に狭い範囲の中に集中をしている。こういった現状の中で、最近、ニュースとかでも、大地震の話とか大変な自然災害の話もございますが、そういった大地震などの大規模な災害、あるいは今の時代におきましてはテロの問題というものもあります。
こういった事態が発生したときに、余りにも狭い範囲の中で日本の中枢機能というものが集中していると、場合によっては首都機能みたいなものが麻痺する事態も考えられるというふうに思います。一瞬にして、東京都内はもちろん、全国津々浦々への重要な情報の流れとかお金の流れ、あるいは政府の行政機能、警察機能なんかは特に大事だと思いますが、そういったことも含めまして、こういった事態について我々も備えていかないといけないというふうに思っているわけでございます。
そこで、危機管理的な観点から、こうした場合に、首都機能を代替する副首都というものも考えていく必要があるのではないかということでございます。
ほかの先進国などを見れば、国家戦略的にやっているかどうかは別として、政治首都と商業首都というものが分かれているということもよく見受けられるところでございます。国土狭き日本においてはなおさら副首都というものを、そういう国家危機管理的な観点から明確に位置づけて、準備していくことが必要ではないかというふうに私も思っているところでございます。
そこで、では、どこがその地域にふさわしいのかという話でございます。
これは、私も京都出身でありますし、大臣も大阪選出だということでございますが、余り利害関係者ばかりで議論していても偏った議論になるとは思いますが、そういったことだけではなくて、客観的に見ても、関西においては、国の出先機関、地方機関とか総領事館というものも集積している。そして交通基盤というものもある程度は整っている。私の地元、京都はとりわけ、迎賓館というものもついこの間できましたし、国会図書館の関西館などの施設も充実している。
そういったことを考え合わせると、手前みそかもしれませんが、客観的に見て、私は、関西においてこそ低コストで副首都機能というものを整備することができるのではないかということでございます。そして、そういったことで、京都府も大阪府も、たしか兵庫県も参加していると思いますが、関西を副首都として位置づけること、さらには、既存施設や交通基盤等の必要最小限の整備というものも同時に推進することを訴えているところでございます。
この質問については、この前、予算委員会の分科会で谷垣財務大臣にもお尋ねしたところで、谷垣さんも京都出身ということで割と前向きな答弁をいただいたんですが、そのときに、実際、内閣府の方にお尋ねしたら、中央防災会議というところで大体マグニチュード七・三の大地震というものを想定しなければならない、そういったことが起きると、壊滅状態になるわけではないけれども、やはり政府の重要な施設が被災に遭ったり、あるいは企業の事業の推進がままならないといった事態が容易に想定できるという答弁もございました。
ですから、これは決してSF、ファンタジーの世界ではなくて、国のまじめな危機管理的な発想から大事だというふうに思うんです。これは国土交通大臣というよりは一政治家ということなのかもしれませんが、この点についてどのようにお考えかということをお聞きしたいというふうに思います。
○北側国務大臣 私は首都機能移転も担当しておりまして、まさしくこの問題は、各省庁の中で国土交通省が一番深くかかわらないといけない問題であるというふうに認識をしております。
実を言いますと、私、きのうも大阪であるシンポジウムがありまして、そのシンポジウムの中で、大阪の太田知事とも御一緒だったんですが、これは前々から聞いておりますけれども、昨日も大阪府の知事から同じく、このバックアップ機能について、やはり大阪が担うことがふさわしいのではないか、こういう御意見の開陳がシンポジウムでもあったところでございます。
安全、安心な国土をつくっていくという観点からは、やはり首都圏に政治、行政、金融等々、国家の中枢機能が集中しております。ここが万一、例えば首都圏の直下型地震等でその機能が麻痺をしてしまうことになった場合に、これは日本の政治経済に大変な打撃を与えるだけではなくて、世界の経済にも大きな影響を与えてしまうと私は思います。
そういう意味で、私は、この首都の中枢機能についてのバックアップ機能をきちんと確保しておくということは、これは国として当然やっておかなきゃいけない危機管理だというふうに思っているところでございまして、どこがふさわしいかというのはまさしくこれからの議論だと思うんですけれども、そうしたことをきちんと検討しておくことが大事だと思う。ちなみに、日本銀行はやはり大阪にバックアップ機能を持っております。
委員のおっしゃったように、大阪には、関西にはと言った方がいいかもしれません、各省庁の出先機関がすべて集中をしておりますし、総領事館もございます。そういう意味では、非常に少ないコストでそうしたバックアップ機能について果たせるような地域ではないかという御指摘は十分傾聴に値するものだというふうに思っているところでございますが、まさしくこれはこれからの議論として進めていきたい。
今、国土交通省では、昨年通していただいた法律、国土形成計画法に基づきまして、国土形成計画を策定する作業をやっております。全国計画につきましては、ことしじゅうには中間的な取りまとめもさせていただきますし、来年には閣議決定もしたい。そして、その上で広域の地方計画についても策定をしていく、こういう流れになるわけで、これからの我が国の国土形成のビジョンについて取りまとめ作業を今まさしくしているところでございます。
きょう委員のおっしゃったこうしたバックアップ機能を、首都機能の一部を万が一のときにしっかり担っていくというふうな問題についても、これは非常に重要な課題として論議をさせていただきたいと思っているところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。大変力強い答弁をいただきました。
お立場上なかなか難しいところもあると思いますが、まずは副首都機能というものが大事だという大方針の上で、どこの地域がふさわしいという中で大臣みずから主張することはなかなか難しいかもしれませんが、客観的にどこが一番ふさわしいかというのはおのずと議論の中で明確になっていくというふうに私は思いますので、本日は北側大臣からも積極的なお話もいただきましたし、この前、谷垣財務大臣にも非常に前向きの言葉もいただきました。私はそれほどの力がなくて微力でございますが、ぜひその議論にも参加していきたいというふうに思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
それで、またこの副首都機能というのは、既存の施設とか交通基盤についても必要最小限と、この財政が厳しい状況の中で非常に控えめな文言となっておるわけでございます。私もそういう姿勢が非常にいいというふうに思うんですが、もう一つの次のテーマは、まさに私の地元の道路の話でございまして、これは京都中部阪神連絡道路というものでございます。
これについてはもともと、亀岡市というのが私の選挙区にございまして、十万弱の地方都市でございますが、ここと北大阪が隣接をしている。今国道四百二十三号線というのがありますが、これが非常な山道でございまして、曲がりくねったりして、非常に狭い道であるということでございます。
そして一方で、御存じのように、全国的な高速道路網の整備計画の中で京都縦貫自動車道の整備というものも今進められているわけでございますが、亀岡の市民あるいは口丹波地域、その北側の、綾部までは行かないんですが、園部町とか八木町とか丹波町とかそういった地域でございますが、そこから阪神地域の高速道路につながるためには二つしかルートがなくて、一つは綾部市までずっと北の方に上がっていって近畿自動車道というものを利用する、あるいはずっと南の方に行って、京都府の乙訓郡というところまで行って高速道路につながる、この二つのルートしかないという中で、もともと熱い要望が亀岡を中心に上がってきているわけでございます。
これにつきましては、国土交通省さんの方から平成十年六月に、当時の建設省でございますが、いわゆる地域高規格道路の候補道路の指定を受けているところでございます。
そういった中で、もともとの経緯はそういったことであるわけでございますが、本日は、私も冒頭申し上げた関西副首都構想の中で、この亀岡というのはまた京都市内の、これも私の選挙区なんですが、西の方の洛西地域の西京区、右京区、嵐山とか桂離宮とかそういったところがある地域なんですが、そこと隣接していまして、縦貫道というのも亀岡を抜けて西京区に入って、そこで今のところ終わっている。したがって、北大阪の方から、伊丹空港とかもあると思いますが、そこから亀岡、そして縦貫道で行けばもう物の十分ぐらいで京都の西の方に入れる。そういった状況の中で、亀岡の活性化だけではなくて、関西全体を副首都構想と考える中で、より緊密な連携というものが図れるのではないか、そういった観点でお話をできればというふうに思います。
まず、先ほど申し上げたように、京都中部阪神連絡道路の候補路線というものの指定を受けまして、ちょうどことし、今六月ですから、八年の歳月が流れようとしているわけでございますが、調査等を初めとした本件の進捗状況についてお伺いしたいというふうに思います。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘いただきました京都中部阪神連絡道路は、第二名神自動車道と高規格幹線道路でございます京都縦貫自動車道を連絡する延長約三十キロメートルの道路の構想でございまして、委員も御指摘いただきましたが、平成十年六月に地域高規格道路の候補路線に指定をさせていただいております。現在、京都府と協力をさせていただきまして、基礎的な調査を実施させていただいているところでございます。
具体的には、並行している国道四百二十三号ともう一つ四百七十七号があるということでございますが、それぞれ九千台、日交通量でございますが、一万台近い交通量があるということでございます。また、峠越えというようなことで、隘路になっている箇所等につきましての調査を進めさせていただいております。
いずれにしましても、京阪神地域全体の道路ネットワークの観点から見た本路線の必要性等を検討させていただいているというところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。
その基礎調査の中に、ルートの決定とか事業計画とか、そういった話というのはまだ当分出てこないような状況でしょうか。まだ基礎的なデータの収集とかそういった状況なのか。済みません、通告にはなかったんですが、そのことも答えられればお願いできればと思います。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
地域高規格道路につきましては、候補路線といいますのは、先ほど必要性と申し上げましたが、整備を進めることの妥当性、緊急性等についての検討を進めさせていただいているということでございます。それから、整備の妥当性、緊急性が高いと認められたものを計画路線として指定をさせていただいているということでございまして、今現在まだ、計画路線にいつというようなところまでは至っておらないという状況でございます。
○北神分科員 理解できました。
そして、その中でまさに候補路線、計画路線に引き上げていただきたいというのが地元のまずの手順としての要望なんですが、先ほど必要性、緊急性という話があって、これはなかなか抽象的な言葉なので、そこを満たすのにはどうしたらいいのかという声もございまして、これもその具体的な基準というものを明確に答えるのはなかなか難しいかもしれませんが、ちょっとその辺、できる限りの範囲で結構なので、教えていただければというふうに思います。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
地域高規格道路というのは、高規格幹線道路網を補完するというような役割がございます。
これまで、規格の高いというようなことで、自動車専用道路的なところをイメージしてきておりますが、この地域の周辺ネットワークといいますと、先ほど、亀岡から京都に抜けるというお話をいただきましたが、京都の南側、西側も含めて、京都第二外環状道路といったようなもの、京都縦貫自動車道とリンケージするわけでございますが、そうした道路も計画されているということでございますので、この地域にどうした規格の道路がいいというようなことを、原点に返って、京都府また大阪とも協力しながら詰めさせていただいているというところでございます。
明確な基準とかいうような前提となって、その道路の性格等を今詰めさせていただいているということでございますので、その上で、熟度が高まってきた場合には、費用対効果とかそういったものをはじきながら、どう事業化していくかというようなことについて判断をさせていただければと思っておるところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。
地元としては、亀岡の市民としては、ぜひとも、第二名神の計画もあると思いますが、そこを起点として、そして亀岡の中心を走っていく京都縦貫道、これを終点としてつなげてそういったルートをお願いしているところなんですが、なかなか財政の厳しい中、非常に難しい話かもしれません。
先ほど申し上げたように、関西副首都構想の中で、阪神と京都のつながりとか、あるいは地元の、これは十万都市の亀岡なんですが、一方で田園地帯というか農村地帯というものもたくさんありまして、そもそもこの地域高規格道路の三つの求められている機能の中で、交流とか連携とか連結とかあると思うんですが、恐らく、中核都市と大都市をつなぐ連携の部分が非常に強いのではないか、そういった意義も私はあるというふうに思うんです。
大臣にぜひお伺いしたいのは、今一連のお話を伺って、この京都中部阪神連絡道路についてどう見ているのか、どのような意義を感じられているのか、そこをお尋ねしたいというふうに思います。
○北側国務大臣 先ほど道路局長から答弁しましたように、京都縦貫道と第二名神を連絡する道路、ですから、道路というのはネットワークでございますので、道路ネットワークの効率を高める効果だとか、また、事故や災害があった場合の代替路として意義があるというふうに私も思います。
ただ、御承知のとおり、第二名神そのものも、今、当面着工しないという区間もあるぐらいでございまして、そういう意味では、ある意味ではこの第二名神をどうするんだということについて早く結論づけていかないといけないなとも思っているところでございます。
いずれにしましても、京都縦貫道それから第二名神等の関連する道路の整備状況、交通状況等も踏まえつつ、京都、大阪の両府と国とが協力をして、この道路の必要性についてしっかりと検討を進めさせていただきたいと思います。
○北神分科員 ありがとうございます。
私もこの話をいろいろ勉強していて、やはり第二名神の話が一つの前提になるのではないか、同時進行的にやりたいというのは我々の要望なんですが、そういったところもなかなか難しいかというふうに思います。
今大臣から、第二名神について結論を早く得られなければならないなという御感想がございましたが、まさに第二名神の、今計画中、進行中だと思うんですが、進捗状況というのはどうなっているのかというのを、事務局で結構ですが、お尋ねしたいと思います。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
今大臣の方から御答弁ございましたが、高槻から八幡ジャンクションにつきましては抜本見直しというようなことになっておりますが、高槻から西の方、神戸間につきましての整備状況をお話しさせていただきたいと思います。
そもそも第二名神高速道路は、名古屋市と神戸市を起終点とする全体百七十四キロメートルの高速自動車国道であるということでございますので、第二東名高速道路と一体となって、三大都市圏を相互に結び、人の交流と物流を支える大動脈ということでございますので、新しい世紀の国土の軸となる重要な路線ということでございますし、また、今お話ございましたが、災害時などを含めても、代替路線として不可欠な路線であると考えておる次第でございます。
高槻から神戸間、約四十キロメートルございますが、ことし二月に開催されました第二回国幹会議の議を経て、西日本高速道路株式会社が整備する区間として決定されております。現在、会社におきまして、用地買収に向けた測量、土質調査及び地元設計協議を行っているということでございます。
当該区間につきましては、宝塚トンネルというようなところも大きな渋滞を起こす頻度が高いということでございますので、地元の御理解と御協力を得ながら西日本会社において事業が促進され、一日も早い供用を目指して私どもも全力を挙げて取り組ませていただきたいと考えておるところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。
なかなかこの話も、道路整備全体が我が党を含めて大変厳しい目が向けられている中で、非常に決定が困難な部分もあるというふうに思うんですが、この話についてレクをしているときも、役所の方でも認識が余りなされていないなというふうにも見受けられましたし、ぜひ、亀岡市、京都府でこういった要望があるということを御認識いただきまして、厳しい状況の中でその実現に御努力いただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。
最後に、こうした道路整備のお願いとか私もさせていただいているわけでございますが、一般論として、現実に、私は何度も申し上げたように、今財政状況が非常に厳しい。その中でもとりわけ公共事業、その中でも道路整備というものに対して非常に厳しい声がある中で、私は、もちろんいわゆる無駄なものというものは、これは当たり前の話で、減らさないといけないし、そういったものをつくってはいけないということだというふうに思います。
しかし一方で、何が何でも一律に支出をカットして、公共事業はすべて悪いという話も全く、これはどこの国を見てもおかしな話であるというふうに思って、賛同しがたいものがあるというふうに思っております。さらに言えば、財政の引き締めだけで本当に国というものが発展するのか、栄えるのか、そういったことも私は極めて疑問に思っているわけでございます。
もともと私も大蔵省の方で十年ぐらい勤めていましたが、やはり大蔵省のそういった視点だけで国を動かされると非常に縮小均衡の事態になってしまうなというのが私の率直な考えでございまして、活力のない経済社会の中で税収の自然増収とか考えると、財政再建でさえ本当に可能なのか。単に歳出をカットして歳入を引き上げるだけで財政再建ができるというのは、私が勉強したところでは、古今東西そんな例はない。やはり経済の活力というのは大事だし、その下支えになる公共事業、道路も含めて、そういったものも大変大事だというふうに思っております。
そういった非常に難しい状況の中で私も本日こういった質問をさせていただいたわけでございますが、大臣におかれましては、無駄でない道路、そして無駄な道路、私は、この基準というものがはっきりできれば一番いいのではないか。そうしていかないと、一律全部だめだという話になってしまう。しかし、これはなかなか難しい質問だと思いますが、大臣の経験とかを踏まえまして、どのようにその基準というものをお考えになっているのかというのをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○北側国務大臣 与党の中でもいろいろな意見がありますけれども、民主党の中もいろいろな意見があるんだなということがきょうよくわかりました。
私は、まず、無駄な道路という表現が実を言うと余り好きじゃないんですね。私も一昨年九月から国土交通大臣に就任してから、国土交通省というのは本当に幅の広い役所でございますが、私のところにあるさまざまな御要望、やはり圧倒的に道路が多いんですね。圧倒的です。それも、北海道から九州、沖縄まで、どの地域、私がいろいろな地域へ行っても、地元の知事さん、首長さん、経済界の方々、どこに行っても、この道路がというお話を必ずと言っていいほどお聞きするわけですね。そういう意味で、道路整備というのは、我が国においてはまだまだやらなきゃいけないところが多いと私は認識をしております。
とともに、一方で財政の問題がございます。財政も危機的な状況の中で、やはりこれから、これは道路だけではなくて公共事業すべてそうだと思うんですが、優先順位というものを明確にしていく。必要性の程度、緊急性の程度等々、これは総合的に勘案をして、そこはきちんと数値で出していかないといけないと私は思いますが、総合的に勘案して、やはり優先順位、プライオリティーというものをつけていくことだというふうに思っているところでございます。
御承知のとおり、今、道路特定財源の見直しの論議がこれから本格的に始まってまいります。もう一つは、この道路特定財源の問題と同じく、公共事業をこれからどうするのという議論もあるんですね。幾ら道路特定財源について確保しても、シーリング、委員は専門ですから、シーリングの方で毎年何%制約だというふうにキャップをかぶせられてしまいますと、幾ら道路特定財源があっても道路に使えないわけでございまして、この道路特定財源をどうしていくかという問題と、今後公共事業、道路投資をどうしていくんだという話と、二つはもちろん関連しておりますが、一応別の問題として議論がこれから進んでいくところだというふうに考えております。
そういう中にあって、ぜひ、この道路特定財源の見直しの問題であれ、公共事業、特に道路投資の今後のあり方にせよ、やはり足が地についた議論をしていただく必要があると思っておりまして、そういう意味では、余り観念論、抽象論で議論するだけではなくて、例えば、これは私、去年お願いしたんですけれども、各整備局単位ぐらいで、関西なら関西で、整備目標についても具体的なイメージを出してもらいたい、そうした方が議論がしっかりできると。
例えば、これから十年間で、仮に今までの予算というものをそのまま、同じような予算でどの程度の事業が、コスト縮減も加味してどの程度進んでいくのか、そういう絵をきちんとやはり示した方がいいですね、そうしないとなかなか地についた議論にならないので、それをぜひやりましょうと。
それと、これからは、これも社会資本全体に言えることなんですが、維持管理コストがすごくかかってくるんですね。やはり、従来整備されてきた道路等につきまして維持管理を適切にやっていかないと、結果としてライフサイクルが短くなってしまって国民負担が大きくなってしまうという問題もありますし、あと、橋の問題なんかでいいますと、例えば昭和三十年代、四十年代につくった橋が、今やもう四十年以上たつのも出てきているわけですね。そうすると、いずれ近い将来更新をしなきゃいけません。その更新コストについてもきちんとこれからは念頭に置いていく必要がある。だから、新規の事業だけではなくて、維持管理コストが必要です、これからどんどんふえてきますよ、いずれ更新コストがふえてきますね、そういうこともある程度試算を出していただきたいなと。
それとあと、優先順位の問題としていいますと、例えば、これは首都圏でも関西でもそうだと思いますが、日本の道路というのは環状が十分できていないんですね、環状道路が。都心に行く道路は割と比較的できているんですが、環状道路ができていない。これが非常に道路渋滞だとか環境の悪化につながっている。こういうのはやはり優先順位が高いねだとか、それから空港とか港湾とか、こういうところのアクセスになる道路というのも、これまた、これからの国際競争を維持向上させていくという観点からも非常に優先度が高いねというふうに、それぞれ、これから優先順位が高くなる考え方、手法としてどんなものがあるかということもぜひ議論をお願いしたいと。
そういうことを、実を言うと、先般、国土交通省で、道路局を中心に取りまとめを案として、あくまでたたき台です、これは何か決めたということではありません、今後の議論の参考にぜひしていただきたいということで、道路整備の中期ビジョン案というのをつくらせていただいたところでございまして、こうしたものを参考にしていただいて今後の御議論を、政府・与党内でもしっかりやりたいですし、国会内でもぜひお願いをしたいというふうに思っているところでございますので、議員におかれましても、一度ぜひ話をお聞きいただければありがたいと思っているところでございます。
○北神分科員 ありがとうございます。
もう時間が過ぎましたので終わりたいと思いますが、私も去年初当選をして初めてこういう道路の話とか多少勉強させてもらったんですが、最後の大臣の答弁、非常に勉強になりました。ぜひ、そういった方向で我々も議論に参加していって、ちゃんとした道路整備というものを戦略的に、そしてコストをできるだけ安くして進めていければというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○柴山主査代理 これにて北神圭朗君の質疑は終了いたしました。
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